ちりつもメモ

塵も積もれば山となる。暇つぶしの忘備録

日本の英語教育は間違っている!? 初海外旅行で四苦八苦した思い出

みなさんは、学生の時英語が得意でしたか?
そして今、英語が話せますか?

 

 

私は初めて海外に出たときに、「日本の英語教育は間違っているのではないか…」と強く疑問を持ちました。
というのも、英語が全く話せなかったからです。

 

 

大学生の時、人生で初めて海外旅行に行くことになった。

行き先はインド。

期間は一か月。

完全なバックパッカーである。

よくもそんな無謀なことを考えたものだと思う。

 

当時ヨガにはまっていた私は、ヨガの聖地リシケシに行きたいと思っていた。

その時たまたま友人がインド旅行に行くことになっていたので、現地で合流できるというのも大きな後押しになった。

そして、インドは公用語に英語があるのでどこでも英語が通じるはず!という誤った認識も最後のひと押しになった。

なぜ英語が通じることが、最後のひと押しになったか。

それは、日本人が学ぶ第一外国語が英語だから。 

そして英語は得意な方、と思い込んでいたから。

第一外国語とはいっても、外国語を使う機会がない国、日本。

それはほぼ使えない、刃のない刀のよう。

 

初めての海外旅行なら多少なりとも言葉が通じないかもしれないという不安があるはずだが、私にはほとんどなかった。(アホだった)

それどころか、飛行機に乗るまで、私には(無駄な)自信があった。
しかも根拠のある自信だった。

中学校から大学まで英語を10年以上学んできたのだ。

そこそこ点数はとれるし、得意な科目であると言っていいはず。

それに、TOEICまで受験している(ホントに受けただけなのに)
しゃべれないはずがないではないか!?と日本の英語教育を妄信していたのである。


ネイティブの英語の先生とは意志が疎通できていた(先生は仕事である)こともプラスになった。

なまじ根拠があるだけにたちが悪い自信にみち溢れて挑んだインドツアー。

オーストラリアとかじゃないところがツウのよう、と勝手に優越感すら感じていた。

 

しかし、その自信と優越感はインドに着く前に見事に崩れ去った。
友人とは現地合流なので、デリーの空港までは一人で行かねばならない。

 

乗ったのは、伝説のような噂が絶えないエア・インディア。
完全なボロ飛行機。

飛行機に乗ったことが少ない私でも、ANAとかJALよりもずいぶんクタクタなのはわかった。

だって座席のモニターが作動しない席がたくさんあったから。(メンテナンスしてくれ!)

しかもインドカレー屋のようなスパイスの香りで満ちあふれている。

 

本当にこれでインドに着くのだろうか。
そんな不安に浸れたのも一瞬だった。
私は機内での意思疏通に不安を覚え始めた。

当たり前だが、日本語は通じない。

まだ成田なのに、ここは完全にインドなのだ。

(出国ゲートを通ったらそこは「成田」であっても「日本」ではない。そんなことも知らなかった。)


まず最初の洗礼は機内で配られる飲み物とスナックを受けとるところからだった。
そ、そんなことで!?と、海外旅行に慣れている方は思うであろう。
しかし、初海外旅行、初バックパッカー、初一人海外旅行、と、初が目白押しだった私には、無事に自分が飲みたいジュースを受けとることはかなり高いハードルだった。
どうやらCAさんが押しているカートの中にあるジュースをくれるらしい。

初国際線機内サービス!
前の席のターバンを巻いたおっちゃんらは慣れたもので、さっそくビールを頼んでいる。ビールもあるのか!

リンゴジュースかお茶、コーヒーくらいしか配られない国内線とはやっぱり違うな!と感動した。
ぼんやりしていると、ホスピタリティーの欠片もないサリーを着た美人のCAさんに、お前は何にするんだ?と顎でしゃくられる。

え、どうしよう。どうするんだ、自分!こんなCMあったような。いや、今そんなことはどうでもいい。ええーい。
考えに考えつくして、出てきた言葉は

「I need orange juce」

本当はコーラが飲みたかった・・・でも「コーラ」では海外で通じないことは知っていた。

苦肉の策のオレンジジュース。
10年以上かけて英語を勉強し、一応大学にまで入れたはずなのに。

出てきたのは中学生以下のコレだけだった。

 

文部科学省よ、これが日本の英語教育の結果だ。
needってなんだよ…
せめてwantだろ!どれだけオレンジジュースを必要としてるんだ!?って今なら総ツッコミを入れたくなる。
そういえば最近カナダに留学した知り合いも、ネイティブに「何で日本人は英語の読み書きはそんなに出来るのに、全然しゃべれないんだ!?」って言われたと言っていた。
そういうことだ。

テストで出ればI need orange juceが間違っていることは明らかに分かる。

でも、どれだけ頑張ってもOrange juce, PleaseもI want to drink orange juceのフレーズも浮かばなかった。

話せなかった。

 

デリーまでの10時間のフライトの間、私はオレンジジュースしか飲まなかった。

「I need orange juce」

飛行機を降りるまで、私は何度も繰り返した。

きっとオレンジジュースが好きなヤツだと、CAさんには思われたに違いない。

 

 

こんな調子なので、旅行の間、英語はほとんど通じなかった。

それでもなんとか1か月後、無事日本に帰ることもできた。

 

そして、日本に帰ってきてから、自分の勉強不足を猛省した。

猛省した果てに、日本の英語教育に対して怒りが込み上げてきた。

なんでこんなに勉強したのに、実生活で全く役に立たないんだーーー!!!と。

 

 

私は今、ユーチューブで英語を勉強している。

最近、最後に行った海外旅行では、ホテルのスタッフと簡単な雑談までできるようになった。

皆さん、どうか日本の英語教育を妄信しないで下さい。