お肌は正直
最近朝晩が冷えるようになった。
秋が来たのだ。あんなに暑くて暑くて、半袖すらも着たくなかった夏が嘘のようだ。
とうとう長袖にぬくぬくのパーカーまで着込みだした。
今も既に大判の毛布のようなひざ掛けにくるまれている。
そんな折、仕事帰りに駅前のドラッグストアで買い物をした。
すると店員さんが化粧品の試供品をくれた。
なんと!
それも2つも。
ありがたや~、と受け取って帰った。
家に帰って開けてみれば、その試供品のお写真は真矢みきさん。
確かにお綺麗だが、どうやら50~60代の女性がターゲットと思われる。「ハリ」、「潤い」、「シワ」等の言葉が並んでいる。
確かに、ハリ、ツヤ、は欲しいが、「まだ30代なんだけど!?」と息巻いた。
まさか、50歳くらいに見えたのだろうか。
自分は老けて見えるのかと、愕然とした。
そしてこの試供品をくれた店員さんに腹が立った。完全な八つ当たりである。
失礼な、こっちはまだ30代だよ!と。
腹は立ったが、もったいないので使ってみる。
なーんかおばあちゃんの化粧品みたいなニオイするな~と思いつつ、スキンケアの最後に顔に塗りたくる。
無料だからと大盤振る舞いする。
翌朝、顏を洗ってびっくりした。
いつもよりもお肌がしっとりもちもちするのだ。
まさか・・・。
いや、きっとそうだ。あの試供品の効果だ。
どうやら、私の心とは裏腹に、私のお肌は心底この潤いを求めていたようである。
お肌は嘘つけないもんね。
今、私は毎晩もらった試供品の残りをちょびっとずつ大切に使っている。
なくなったら買うかもしれない。
完全にメーカーの戦略にはまっている。
分かっている。でもお肌は正直なんだ!
店員さんよ、腹が立ってごめんね。ありがとう。