【ちりつも読書録】図書館から借りた本_202010_1
- 基本調味料で作る鍋 市瀬悦子
使う調味料が基本家にあるものだけなので、参考になった。実際にいくつか作り、我が家の鍋レパートリーを増やすことができた。味つけは薄いと感じることもあったけれど、鍋が活躍するこれからの季節に役立つ1冊だった。
- むね肉レシピ 365日 山中順子
たくさんむね肉のレシピがのっていた。和洋中、エスニック。へえー!と感心した。こんな風に活用できたらすごいと思ったが、読み進めていくうちにどうやら自分はそこまでむね肉が好きではないということに気づいてしまった。。。
益田ミリさんの本は良く購入する。好きな作家のひとりだ。でもこの本は
珍しくマイナス思考なコメントが多かったような?一人で47都道府県行くのは、苦行になってしまったのだろうか。
- 心がほどける小さな旅 益田ミリ
こちらは益田さんらしく、ほっこりしながら読める本だった。
行ってみたかったけど、これまでなんとなく行く機会がなかったところへ行ってみたくなる本。ということで、今年初めて念願の霧島温泉に行くことにした。日常の繰り返しで、引き出しにしまったまま、ため込んでしまった行きたいところリストを棚卸ししようと思った。
シルクロードには全く興味がなかったけれど、最近中国ドラマの「始皇帝の母 コウラン伝」を見ていることもあって、借りてみた。西安とトルファンの写真が美しかった。10万円ためて行ってみようかなと思った。
- 5万4千円でアジア横断 下川裕治
この作者、いろんなところを旅行していてすごい。というか、5万4千円でアジア横断できることに驚いた。しかしあんまり快適な旅ではなさそうだ。全てバスって。。。作者もお連れ様も相当体を痛めている。私は 海外は普通に飛行機で行きたいなー。
- アジア飯店 岡崎大五
面白かった。「旅先の食事はギャンブル」、とはBSで放送中ヒロシの異国の駅前食堂でよくテロップで出てくる言葉。食べることは生きることだから、とっても大切。やっぱりこういうアジア放浪系では、インドの存在感は抜群だと思う。食も、それにまつわる人も、インパクトがある。私も男だったら作者のように、お金が尽きるまでひたすらアジアの安宿を渡り歩く旅をしただろうか、なんて考えた。
~番外編~
- ゴーゴーインド
この本が好きならこちらの本もおススメ。かなり面白い。インドなんて臭くて汚くてメチャクチャ、なのにまた行きたい。インドに行ったことがなければ面白い。インドに行ったことがあればもっと面白い。たくさんのイラストも秀逸。
【ちりつもメモ】サプライズなハロウィンwith 禰豆子
鬼滅の刃が流行っているらしい。
映画もとうとう千と千尋の神隠しを抜いて興行収入1位になったそうな。
私はまだ見たことがないけれど、大変に面白いと皆が言う。
先日放送していた分は撮りためたので、これからじっくり見ようと思う。
しかしこの鬼滅の刃フィーバーはすごい。
ネットニュースで毎日のように何かしらネタが挙がり続け、近所のスーパーではコラボしたふりかけやらが売っていた。
お弁当箱も見かけた。(高い)
そのせいか、今年のハロウィンは鬼滅の刃であろうと思われるコスプレをした人がいた。
先週出掛けたショッピングモールでも、たくさん仮装した子供を見かけた。
4~5歳くらいの女の子が禰豆子と思われる仮装をしていた。
かわいいなーーー。
そう思って、通り過ぎてから違和感に気づく。
一瞬のことだったのでよく分からなかったけど、トイレットペーパーをくわえていたような・・・
ん???
トイレットペーパーの芯・・・だったよな!?
一瞬思考が止まった。
・・・なるほど、竹の代わりか。
禰豆子のくわえている竹の代わりにどうやらトイレットペーパーの芯をくわえさせているらしい。
確かに、大人では小さいが子供ならぴったりのサイズ感だ。
都会じゃ本物の竹は手に入りにくいもんね。
そういう活用方法があるとは思わなかった。
サプライズなハロウィンだった。
お肌は正直
最近朝晩が冷えるようになった。
秋が来たのだ。あんなに暑くて暑くて、半袖すらも着たくなかった夏が嘘のようだ。
とうとう長袖にぬくぬくのパーカーまで着込みだした。
今も既に大判の毛布のようなひざ掛けにくるまれている。
そんな折、仕事帰りに駅前のドラッグストアで買い物をした。
すると店員さんが化粧品の試供品をくれた。
なんと!
それも2つも。
ありがたや~、と受け取って帰った。
家に帰って開けてみれば、その試供品のお写真は真矢みきさん。
確かにお綺麗だが、どうやら50~60代の女性がターゲットと思われる。「ハリ」、「潤い」、「シワ」等の言葉が並んでいる。
確かに、ハリ、ツヤ、は欲しいが、「まだ30代なんだけど!?」と息巻いた。
まさか、50歳くらいに見えたのだろうか。
自分は老けて見えるのかと、愕然とした。
そしてこの試供品をくれた店員さんに腹が立った。完全な八つ当たりである。
失礼な、こっちはまだ30代だよ!と。
腹は立ったが、もったいないので使ってみる。
なーんかおばあちゃんの化粧品みたいなニオイするな~と思いつつ、スキンケアの最後に顔に塗りたくる。
無料だからと大盤振る舞いする。
翌朝、顏を洗ってびっくりした。
いつもよりもお肌がしっとりもちもちするのだ。
まさか・・・。
いや、きっとそうだ。あの試供品の効果だ。
どうやら、私の心とは裏腹に、私のお肌は心底この潤いを求めていたようである。
お肌は嘘つけないもんね。
今、私は毎晩もらった試供品の残りをちょびっとずつ大切に使っている。
なくなったら買うかもしれない。
完全にメーカーの戦略にはまっている。
分かっている。でもお肌は正直なんだ!
店員さんよ、腹が立ってごめんね。ありがとう。
おじさんにも生理があればいいのに
あるとき、ニュースで国会の様子が流れた時にふと思った。
おじさんにも、生理があればいいのに!
そこに映った国会議員は、男性の、おじさんというよりおじいさんばかり。
地方の市議会議員でも同様の光景がひろがる。
2017年の熊本市議では、ママさん市議会議員が、議会に子連れで行って、大バッシングを食らってたっけ。
議会はその後、乳児を連れての出席を認めないという規則をスピード採決した。
ニュージーランドなんて、同性カップルの議員の子供を、議長が子守しながら議事を進めたりするんだよ!?
そりゃ、こんな日本じゃ男女平等も進まないし、出生率も上がらないわけだ。
会社で頑張って働いても、結局結婚や出産でキャリアチェンジをするのは女性ばかり。
男女平等とかなんとか、建前はあるものの、現実として、女性がそうせざるを得ない状況がある。
結婚や出産で仕事を辞める女性は多数いるが、男性はほぼ聞いたことがない。
結果、会社に残ってえらくなるのは男性ばかり。
だからふと思ったのだ。
おじさんにも、生理があればいいのに、って。
毎月生理前には、イライラしたり、不安になったり、便秘になったり、胸が張って痛くなったり。
生理が来れば、便秘が下痢になったり、出血で貧血気味になったり。
深夜の3時に生理が来て、痛くて眠れなくなったり。
薄い色のボトムに血が染みないか心配になって慌ててトイレに駆け込んだり、夏場のナプキンの蒸れで不快になったり。
それが1週間続く。
そんな経験をしてくれたら、会社の無給の生理休暇が、せめて有給になったりしないかな、と思ったのだ。
おじさんに生理があって、女性であるだけで毎月訪れる大変な日々を心から分かちあえたら、政策も国家予算の配分も、出産育児休暇の在り方も、変わるんじゃないの?と思う。
少なくとも、名ばかりの女性活躍推進うんちゃらが、結婚もして、子育てもして、仕事もしてというワンオペ推進の結局男性にとってのみ都合のいい結果を生み出していないか、省みることはできる。
おじさんに生理があったら、生理休暇は有給でなくてもよいと会社に一任したただろうか?
おじさんに生理があったら、生理用品の消費税は10%に上がっただろうか?
おじさんに生理があったら、子育てや教育いかける費用よりもたくさんの国家予算で武器を買っただろうか?
おじさんに生理があったら、女は感情的だとか言わない、言えないはずだ。
おじさんに生理があったら・・・
お洒落は足元から、時代は靴下から!?
靴下って、一体いつから履くようになったのだろう。
毎日履いていて、ふと疑問に思った。
足を守るために、足袋的なものは日本には古くからあったのだろうけど。
ネットで調べると、どうやらその起源は4-5世紀のエジプトで作られた手編みのソックスあたりにあるらしい。
意外にも古くからあるようだ。
どうしていきなりこんな疑問をもったか。
それは、今見ている海外ドラマのせいだ。
オスマン帝国~愛と欲望のハレム~という、世界中で大ヒットした歴史大河的ドラマである。
おそらく1500年代のトルコ、オスマン帝国における皇帝とそれを取り巻くお妃や皇族の対立、政治的な覇権争いなどを巧みに描いているドラマだ。
事実と異なる点はあるだろうけれど、視聴者を飽きさせないドラマティックな展開と、豪華な衣装、たくさんの陰謀とかけひき、どれもが見ごたえがあり、すっかり虜になった。
そのドラマ中、足元が大きく映った場面があった。
皇帝の乳母が首をくくる、という大変シリアスな場面だ。
その場面の最後に、死を暗示させるように足元だけが大きくアップで映された。
「ん?スクールソックス??」
紛れもない。そこにはあの真っ白なスクールソックスが。
いかん、シリアスなシーンだ。
いや、でもスクールソックス、スクールソックスだよね!?
ゴムの入った、真っ白の、くるぶし丈の、伸縮性のある、・・・・
4世紀から靴下はあっても、さすがにゴム入りのスクールソックスはない筈だ。
それは、日本で言えば暴れん坊将軍にスクールソックスを履かせる、くらい不自然なんじゃなかろうか。
「お洒落は足元から」とはよく言われるが、時代を表すのも足元から、のようだ。
日本の英語教育は間違っている!? 初海外旅行で四苦八苦した思い出
みなさんは、学生の時英語が得意でしたか?
そして今、英語が話せますか?
私は初めて海外に出たときに、「日本の英語教育は間違っているのではないか…」と強く疑問を持ちました。
というのも、英語が全く話せなかったからです。
大学生の時、人生で初めて海外旅行に行くことになった。
行き先はインド。
期間は一か月。
完全なバックパッカーである。
よくもそんな無謀なことを考えたものだと思う。
当時ヨガにはまっていた私は、ヨガの聖地リシケシに行きたいと思っていた。
その時たまたま友人がインド旅行に行くことになっていたので、現地で合流できるというのも大きな後押しになった。
そして、インドは公用語に英語があるのでどこでも英語が通じるはず!という誤った認識も最後のひと押しになった。
なぜ英語が通じることが、最後のひと押しになったか。
それは、日本人が学ぶ第一外国語が英語だから。
そして英語は得意な方、と思い込んでいたから。
第一外国語とはいっても、外国語を使う機会がない国、日本。
それはほぼ使えない、刃のない刀のよう。
初めての海外旅行なら多少なりとも言葉が通じないかもしれないという不安があるはずだが、私にはほとんどなかった。(アホだった)
それどころか、飛行機に乗るまで、私には(無駄な)自信があった。
しかも根拠のある自信だった。
中学校から大学まで英語を10年以上学んできたのだ。
そこそこ点数はとれるし、得意な科目であると言っていいはず。
それに、TOEICまで受験している(ホントに受けただけなのに)
しゃべれないはずがないではないか!?と日本の英語教育を妄信していたのである。
ネイティブの英語の先生とは意志が疎通できていた(先生は仕事である)こともプラスになった。
なまじ根拠があるだけにたちが悪い自信にみち溢れて挑んだインドツアー。
オーストラリアとかじゃないところがツウのよう、と勝手に優越感すら感じていた。
しかし、その自信と優越感はインドに着く前に見事に崩れ去った。
友人とは現地合流なので、デリーの空港までは一人で行かねばならない。
乗ったのは、伝説のような噂が絶えないエア・インディア。
完全なボロ飛行機。
飛行機に乗ったことが少ない私でも、ANAとかJALよりもずいぶんクタクタなのはわかった。
だって座席のモニターが作動しない席がたくさんあったから。(メンテナンスしてくれ!)
しかもインドカレー屋のようなスパイスの香りで満ちあふれている。
本当にこれでインドに着くのだろうか。
そんな不安に浸れたのも一瞬だった。
私は機内での意思疏通に不安を覚え始めた。
当たり前だが、日本語は通じない。
まだ成田なのに、ここは完全にインドなのだ。
(出国ゲートを通ったらそこは「成田」であっても「日本」ではない。そんなことも知らなかった。)
まず最初の洗礼は機内で配られる飲み物とスナックを受けとるところからだった。
そ、そんなことで!?と、海外旅行に慣れている方は思うであろう。
しかし、初海外旅行、初バックパッカー、初一人海外旅行、と、初が目白押しだった私には、無事に自分が飲みたいジュースを受けとることはかなり高いハードルだった。
どうやらCAさんが押しているカートの中にあるジュースをくれるらしい。
初国際線機内サービス!
前の席のターバンを巻いたおっちゃんらは慣れたもので、さっそくビールを頼んでいる。ビールもあるのか!
リンゴジュースかお茶、コーヒーくらいしか配られない国内線とはやっぱり違うな!と感動した。
ぼんやりしていると、ホスピタリティーの欠片もないサリーを着た美人のCAさんに、お前は何にするんだ?と顎でしゃくられる。
え、どうしよう。どうするんだ、自分!こんなCMあったような。いや、今そんなことはどうでもいい。ええーい。
考えに考えつくして、出てきた言葉は
「I need orange juce」
本当はコーラが飲みたかった・・・でも「コーラ」では海外で通じないことは知っていた。
苦肉の策のオレンジジュース。
10年以上かけて英語を勉強し、一応大学にまで入れたはずなのに。
出てきたのは中学生以下のコレだけだった。
文部科学省よ、これが日本の英語教育の結果だ。
needってなんだよ…
せめてwantだろ!どれだけオレンジジュースを必要としてるんだ!?って今なら総ツッコミを入れたくなる。
そういえば最近カナダに留学した知り合いも、ネイティブに「何で日本人は英語の読み書きはそんなに出来るのに、全然しゃべれないんだ!?」って言われたと言っていた。
そういうことだ。
テストで出ればI need orange juceが間違っていることは明らかに分かる。
でも、どれだけ頑張ってもOrange juce, PleaseもI want to drink orange juceのフレーズも浮かばなかった。
話せなかった。
デリーまでの10時間のフライトの間、私はオレンジジュースしか飲まなかった。
「I need orange juce」
飛行機を降りるまで、私は何度も繰り返した。
きっとオレンジジュースが好きなヤツだと、CAさんには思われたに違いない。
こんな調子なので、旅行の間、英語はほとんど通じなかった。
それでもなんとか1か月後、無事日本に帰ることもできた。
そして、日本に帰ってきてから、自分の勉強不足を猛省した。
猛省した果てに、日本の英語教育に対して怒りが込み上げてきた。
なんでこんなに勉強したのに、実生活で全く役に立たないんだーーー!!!と。
私は今、ユーチューブで英語を勉強している。
最近、最後に行った海外旅行では、ホテルのスタッフと簡単な雑談までできるようになった。
皆さん、どうか日本の英語教育を妄信しないで下さい。
サバイバル帰省日記3 ~「孫」という幻想に踊らされる大人~
例年ならお盆とお正月は実家に帰省する。
しかし、今年はコロナの影響もあって帰省できなかった。
サバイバル帰省しないで済んだものの、ネタが仕入れられない(笑)
そこで、私が数年前のGWに帰省した時のお話をご紹介しようと思う。
「孫が欲しい」と熱望し、私にプレッシャーをかけまくっていた母が、孫という生き物の現実に直面した時のエピソードである。
私の母(ばあば)は、定年を迎えるまでずっと看護師として働いてきた。
世の中の方には、ずっと働き続けてきた女性というと、ものすごいバリキャリのように感じられる方もいるかもしれない。
しかし、ウチの母は全く違う。
仕事が好きだったというよりは、家事に向かなかったのである。
本人曰く、「家にいるより仕事してた方がイイじゃん」とのこと。
また、母は新しい物好きではあるけれど、今もなお再雇用で働き続け、社会との接点を失っていない割には、保守的である。
さすがに、自分ができなかったからか「女は家庭に入るべきだ」とは言わなかった。
それでも、事あるごとに独身で30オーバーの私に「結婚はした方がよい」とか、「子育ては良い経験になる」と言っていた。
さすがにこればっかりは「ご縁」なので、私一人ではどうにもできないんだけれど・・・
娘が出産の限界年齢へと近づくにつれて、その種の発言を繰り返すようになる母。
しかし、この時のGWを境に、ついに母の口から「孫が欲しい」が出なくなった!
その原因は、妹が産んだ「孫」ご本人である。
1歳を過ぎたばかりの、かわいい盛りの孫Iくん。
至って普通の1歳児。
もちろん、彼は何も悪くない。
悪いのは、「孫」の幻想に踊らされた大人、つまり母ご本人である。
孫は夜泣きはするし、うんち、しっこ、は垂れ流す。
おむつは1日に何度も替えなければいけないのに、大抵の赤ちゃんはおむつ交換を嫌がる。
孫Iくんももちろん大嫌い。
毎回泣きわめき、力いっぱい暴れまくる。
おむつだけではなく、子守をしていたら息つく暇などない。
この頃、ハイハイとつかまり立ちを覚え始めた孫Iくん。
ハイハイをしだすと、もう目が離せない。
彼のお気に入りは、ゴミ箱(笑)
居間から台所まで、目を離した一瞬の隙に移動し、隠していたゴミ箱を探し出す。
ものすごいハンター!
そして、ゴミ箱を倒して、お菓子のフィルムを引っ張り出して口に入れる。
味がするらしい。
ペットボトルのキャップも好きだった。
何でもお口に入れたいお年頃。
子守をする人は、ゆっくりテレビを見ることはできないのだ。
毎晩のお風呂も大変。
孫Iくんはお風呂も大嫌い。
お昼寝で回復した体力全開で、毎晩大泣きして暴れる暴れる。
子供は元気でも、大人はへとへと。
お風呂に入れるのは、2人体制でないと務まらない。
一緒にお風呂に入る人と、外で着替えやらミルクの準備をする人、2人が不可欠。
何とか服を脱がせてお風呂に連れて行った、と安心したのもつかの間。
一緒に入っていた妹から、「出るよー」との掛け声が。
びしょびしょの孫をキャッチして、体を拭き、ベビークリームをぬり、服を着せ、ミルクを飲ませながら髪を乾かす。
これを毎日、毎日行うのである。
加えて孫Iくんは、ばあばに抱っこされるのが大好き。(今はじいじ大好き)
ばあばを見るたびに、抱っこをねだっていた。
こうして、負担が重なり、それが日々積み重なって、ついに母(ばあば)は崩壊した。
肩と膝、腰を痛め、手は腱鞘炎になった。
そりゃそうだ。自分が子育てしていた時とは、年齢と体力が違いすぎるでしょ!
そうして満身創痍で迎えたGW、いえ、子守週間。
シフト制の妹は仕事へ。
残されたのは、母(ばあば)と父(じいじ)、そして帰省した役に立たない子育て未経験の私。
そして事件は起こった。
それがうんち横モレ事件である。
孫Iくんが、うんちをパンパースから見事に横モレさせたのである。
子育てをしたことがある方からすれば、それは事件とは呼べないレベルである。
しかし、この時の母は違った・・・
私は帰省して数日お手伝いしていただけなので、まだ「アハハ!」と笑っていたけれど、母は無表情になった。
完全に母のコップの水があふれた瞬間だった。
都合のいい時だけ孫を可愛がり、都合が悪くなると一人で本屋へ逃げる父(じいじ)も悪かった。
笑っていた私も、全く空気を読めていなかった。
私にしてみれば、日頃暮らしている関西のノリとツッコミ的な感じで「うんこ漏れたで~!」と明るくしたつもりだったのだが、東北人の母には全くウケなかったばかりか、怒りのスイッチをさらにダメ押ししてしまったようだった。
横モレをじぃっと見つめた母は、無言になった。
そして遠くを見つめて、「アンタ、ちょっと風呂場連れて行って」と、ポツリ。
スケバンから体育館裏に呼び出される1年生のような気分。
私は頷いて、泣いている孫Iくんをうんこが自分の体に付かないように持ち上げ、お風呂場に連れて行く。
服を脱がせていると、母がやってきた。
そして、何も言わずに泣き叫ぶ孫Iくんに無表情でシャワーをかけ続けていた。
泣き叫ぶ孫。
無表情の母。
本当にあの時の顔は怖かった・・・
それ以来、母は「孫がほしい」とは一言も言わなくなった。
家長だと威張り、怖かった父は、10㎏の孫を抱きかかえるのがやっとの好々爺になった。
母がポツリ。
「結婚して幸せそうにしている人って、あんまりいないわね」
結婚=幸せではない。
結婚したら、誰でも幸せになれるわけではないのである。(もちろん幸せな人もいる)
孫も然り。
孫がいる=幸せなおばあちゃん、ではないのだ。
「孫が欲しい」
その気持ちは分かるけれど、子育ては本当に大変。
実の娘の私であれば「できない」とはっきり言えるけれど、これを何も考えずに弟のお嫁さんに言っていたら、と考えるとぞっとした。
みんなそれぞれ事情があるのだ。(幸い弟夫婦にも子供が2人授かった)
今の時代、「おばあちゃん」になるには、気力と体力とおカネが必要だ。
私が生まれたころは、祖母は55歳だったらしい。若い!
昔は結婚も出産も早かったから、「おばあちゃん」は元気だった。
孫は可愛い。
私には甥っ子にあたるIくん。
甥っ子でもこんなに可愛いのだから、孫なら尚更だろう。
ただ、現実は甘くない。
疲労は溜まる。
確実に。
抱き上げるたびに、腕が、膝が、腰が、確実に疲弊していく。
かくいう私も、5日間帰省する予定だったが、1日早く自宅へ帰ってきた。
慣れぬ子供に、そして子供中心の生活に疲れてしまったのだ。
保母さんは、本当にすごいと思った。
世の中のお母さんたちも、改めて本当にすごいと思った。
後日談
1日早く自宅へ帰った私だったが、モロに風邪をひき、3日間立ち上がれず、固形物が喉を通らなかった。子供からもらう風邪はひどいと聞いたが、本当だった・・・
おまけに、結膜炎という「お土産」までもらい、出勤停止をくらったのだった。
恐るべし、孫!